測量に使用する機器にはどんな種類があるのか?
「測量」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか?
三脚の上に設置した機器を、作業員が覗いている風景を想像する方は多いのではないでしょうか。
では、以下の4枚の写真をご覧ください。
どれも同じ測量を行っている写真…ではありません。
実は、それぞれ別の機器を使った測量で、取得しているデータも全く別ものなのです。
もちろんプロの目にかかれば一目瞭然なのですが…、多少詳しい方でないとその違いを言い当てるのは難しいのではないでしょうか。
そこで今回は、利水社が保有する、これら地上の測量で活躍する機器についてご紹介したいと思います。
トータルステーション
目標とする点までの距離と角度がわかる、現代の様々な測量に欠かせない主力選手です。
ターゲットにレーザー光を照射して、反射してきた光で正確な距離を測定。加えて水平方向の角度と、鉛直方向の角度も測定することができます。
ターゲットには基本的に反射プリズムを用います。プリズムは光を効率的に反射するため、最大5,000mほどの距離でも測定が可能で、高性能なトータルステーションには、プリズムを自動で追尾する機能もあります。目標が屋根の上などプリズムを設置するのが難しい箇所の場合は、レーザーを直接照射して測定することもあります。
電子レベル
高低差を測定したり、水平を出したりすることができる機器です。
レンズを覗くと視準線が見え、それを常に水平に保つような構造になっているため、高低差を測定する水準測量などに用いられます。
目標の地点に置いた標尺(測量用のものさし)の目盛りを、技術者が目で読み取る従来の「レベル」に対し、電子レベルは標尺のバーコードを自動で読み取るため、個人による誤差のない精密な測定をすることができます。
GNSS測量機
衛星測位システム(Global Navigation Satellite System)を用いて測量を行う機器です。
4個以上の衛星から電波を受信し、衛星から観測点までの距離を知ることにより、観測点の位置を決定します。
地球上での正確な座標を直接知ることができ、計測したい点と点の間に木立など視野を遮るものがあっても測定できるというメリットがあります。
測量の基準となる点を定める測量=基準点測量に多く用いられます。
地上レーザスキャナ
計測したい範囲にレーザーを照射し、3次元データを取得します。
地表の凹凸などを面的かつ視覚的に短時間で計測できるメリットがあり、土砂崩れなど災害現場の把握や急峻な斜面の測量、遺跡の発掘現場の状況を記録する調査等でも活躍します。
それぞれ簡単な説明となってしまいましたが、測量機のおおまかな違いがお分りいただけたでしょうか?
このような機器を駆使しながら日々測量は行われ、目印も線もなかった土地に道路ができ、建物が建ちます。
次回道端で測量を行っている技術者を見かけたとき、どんな機器を使っているか言い当てることができたら…、みなさんもかなりの“測量通”と言えるのではないでしょうか?