測量今昔―進化する現代の測量―
道端で作業服を着た人たちが三脚の上にある機械を覗いて測量を行っている光景、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。
ビルや道路を作る場所の正確な形を知りたいとき、橋をかける両岸の高低差が知りたいとき、必要となるのが測量です。
1980年代までの測量は、平らな板の上に「アリダート」というアナログな機器を置き、測るべき点の方向を定め、距離をメジャーで測るという方法が主流でした。
さらに図面に起こすのもひとつひとつが手書き。気の遠くなるような作業です。
現在測量の現場で一般的に使用されているのは、「トータルステーション」という機械です。
こちらは、測りたい場所までの正確な距離を光(光波)で計測でき、2つの点の間の角度や高低差も割り出すことができるというもの。
さらに図面もコンピューター(CAD)を使って作成できるようになりました。
利水社のベテラン技術者によると、手測り・手書きのアナログな手法から、光波・CADのデジタルな手法へ移行したのは、平成元年頃のこと。従来に比べ作業時間は3分の2ほどに短縮したといいます。
時代の転換点に、まさに「測量革命」も起きていたのですね。
今では、トータルステーションをリモコンで操作、測定した値を即タブレットに反映させ、現場であらかたの図面を作成できるようにもなりました。このシステムを使うと従来3人必要だった作業が、2人でこなせるようになります。
より速く、正確に。測量の現場は日々進歩しています。