能登半島地震レポート〈6〉―志賀町のボランティアに参加して―

3月14日(金)、利水社を含むエオネックスグループは、石川県羽咋郡にある志賀町のボランティア活動に参加しました。
グループとしては昨年12月に行った輪島市での活動に引き続き、2度目の企業ボランティアとなります。
当日は春本番を先取りするような好天に恵まれ、朝7時に金沢市を発ち、現地に向かいました。
能登半島地震で最大震度7を観測した志賀町ですが、奥能登の珠洲市や輪島市に比べると、さほど大きな被害は報じられていません。
しかし南北に長いこともあり地域によって被害状況には差があり、車窓からは、多くの住宅の屋根がいまだブルーシートに覆われている一帯も見受けられました。
2時間弱で、志賀町の最北部、旧富来町(とぎまち)の志賀町役場富来支所に設置された災害ボランティアセンターに到着。
今回はグループ従業員、計12名が活動に参加します。
富来支所の入口。ブロックが波打ったようになっていました
オリエンテーションの様子
朝のオリエンテーションで、担当の方から作業の進め方や注意点を教えていただきます。
この日従事する作業としては、志賀町の北部にある住宅の、崩れたブロック塀を軽トラックに積み込み、仮ごみ置き場まで運搬するという内容になります。
路肩が崩れたままの道路
車両やバケツ、ヘルメットなどはボランティアセンターからお貸しいただき、2人ずつの班になり、6台の軽トラックで作業場所に向かいます。
目的地の周辺には建物が解体され更地になった区画や、今まさに解体の真っ最中という住宅も目立ちました。

こちらが作業前の写真。
住民の方がいらっしゃらなかったので詳しい被害状況は不明ですが、地震で一部が崩れた、または傾いたと思われるブロック塀が、業者の方によって粉砕され、ブルーシートの上に置かれていました。
コンクリート片が敷地の奥のほうまで山積みになっており、一見したところ、1日の作業で終わるかどうか不安になる分量です。

車道から1mほど低い窪地になっていたため、一度道路までブロックを上げてから、トラックに運びます。
一度にたくさん運びたいところですが、過積載の恐れがあるため、荷台の立ち上がりからはみ出さないように積み込みました。
ブロックの塊の中には十数キロありそうなものも混じっているため、うっかり足の上に落としてしまったら大変危険です。また、割れたガラスや、樹木を伐採したあとの切り株などもあり、未経験者でも参加できる活動とはいえ、十分注意し万全の装備で臨む必要性を感じました。
割れた窓ガラス
ブルーシートの下にあった切り株
全ての荷台が一杯になったら、30分ほど移動し、仮ごみ置場へ。
道の途中には、ところどころ遠目にはわかりにくい段差があり、気付かず通過して衝撃に肝を冷やす場面もありました。
野球場が仮ごみ置場となっていました
積み下ろしの様子
仮ごみ置場では、運び込まれた瓦礫が、木材や家電、壁材、瓦、布団などと細かく分別され、積まれていました。ここでもブロックの扱いに注意を払いながら積み下ろしを行い、午前の作業は終了となります。
お昼休憩。富来支所のロビーをご提供いただきました
午後になるとすっかり作業にも慣れ、粛々と積み込みが進みました。
大きなコンクリートの塊を運ぶ人、細かな破片をバケツ等に入れ運ぶ人、トラックに積み込む人と、自然とそれぞれ自分ができる役割を見つけ、みるみるうちに瓦礫が消えていきます。



作業後の様子です。
膨大に思えたブロックの量でしたが、12人で力を合わせ、時間内に終わらせることができました。
今回の活動は、一軒のお宅の一部を片付けるという、ささやかな支援ではありますが、こうして復旧・復興の一端を担えたということは、大変ありがたく、貴重な経験となりました。
受け入れてくださった志賀町ならびに災害ボランティアセンターのみなさま、ありがとうございました。
右手の親指を立てて能登半島のポーズ。心をひとつに。